電力会社の仕事内容について①
アウルです。
中の人が語る電力会社の内情シリーズ第7弾。
「電力会社の仕事内容編」書きます。
世間では「電気作って送ってる会社」くらいのイメージかなと思ってます。私も入社してから「こんな仕事してるんだー」と知ることが多かったです。
(↓電力会社就職への全体的な考察についてこっち)
文系組の仕事はわからないことも多いので技術職に限定して書きます。
技術職の仕事は大きく分けて4パターンしかありません。
「保守」…点検の管理や故障対応(現地)
「運用」…当直勤務で操作、故障・停電対応(制御所、発電所等)
「工事」…新設工事や経年劣化による機器の取替工事
「その他」…上記の統括業務、補佐業務など
大きくわけて7部門ありますがその各々に↑の要素があります。
7部門:「配電」「工務」「通信」「水力」「火力」「原子力」「土木建築」
まずはその4パターンについておおまかに確認し、7部門の特色についてそのあとに記載します。
A1.電力会社の保守の仕事
一番最初に経験することが多い「保守」の仕事について。電力会社は守りの要素が強い会社です。その中でもその要素が最も強いのが保守の仕事です。
・巡視
設備に異常がないか確認する仕事です。よく「五感を使って異常を見つけろ」と言われます。範囲が広い時などもあり、意外と疲れます。この仕事の頻度は結構高いです。しかし、これで修理が必要な個所が見つかることも多いです。
・点検管理
各機器は○年に一回点検をすることが決まっています。その日程管理、発注対応をする仕事があります。自社で点検を行うことは少なく、ほとんど外部委託で行っています。
・故障対応・修理
管理している設備に異常がある場合は修理していく必要があります。機器の重要度・故障の度合いによって緊急かどうかは変わってきます。緊急の場合は他の仕事をぶんなげてそれにあたる必要があるため、保守の仕事では仕事を完全に計画して行うことはできません。大規模な故障な場合は請負者に発注して修理を行いますが、初期対応は自分でします。そのため、簡易な工具の使い方(私はこれが苦手だった)や、機器の知識が求められます。設備の多い配電や、流木関係で稼働の多い水力がより頻度の高い部門と言えます。
A2.電力会社の運用の仕事
保守の仕事はどの部門でもだいたいありますが、運用の仕事があるのは限られています。水火原の発電系と工務のうち系統・給電の部門くらいです。
・当直の仕事
火力、原子力、系統・給電では2交代または3交代で運転の仕事をしています。判断力と正確性が求められる仕事です。数名単位のチームで仕事をしています。そのため、相性によってかなりホワイトブラックが変わってきます。シフト制なので長期連休がない反面、土日休みもあり、手当もかなりでます。他部署とやりとりすることは多いですが、仕事内容は特異的で慣れが必要だと言われています。
水力のダムは洪水時の時くらいは運転しますが基本は自動だと思います。(水力は2交代等ではなく宿直制。異常なしなら寝てもOK)
・当直を補佐する仕事
多岐に及んでいるので説明しずらいですが給電でいうなら需給の予想をしている人などです。以外と日勤の人も多いです。
A3.電力会社の工事の仕事
多くの設備をもつ電力会社にとって設備更新は重要な業務です。取替時期間近の機器は故障率も高いです。上記2つと違い、自分で工程を支配することが可能です。
・工事設計
ある程度以上の大規模な工事ですと予め仕様の決定をする必要があります。
技術的に正しいかはもちろん、法律に反さないか、金額はどの程度か、工程はどのようにするか、多部署との調整などしていく必要があります。これの出来によって以下の仕事がきつくなってきます。
・工事発注
設計した内容について具体的に発注していきます。書類が適当であったり金額が少ないと契約できなかったりして揉めます。
・施工管理
実際に工事を行うときには、特に危険な作業や停電作業などにおいては立会の業務をします。進捗状況や施工内容について請負者と確認し、問題ないよう進めていきます。
・安全指導
区画や養生、施工法など、危険に感じることがあれば指摘し、安全作業にしていかなければなりません。
請負者は効率重視な時があったりするので、こちらで抑えるところは抑える必要があります。
・試験対応
請負者で実質する試験の調整や、自社で行う試験を実施したりします。
試験内容については事前に確認しています。
・他課調整
他の課との調整は様々なところであります。板挟みになる事も多いですが、負けずに攻めていくしかないです。
A4.電力会社の統括部門等
新入社員ではまずいかないです。
②で各部門の特色を紹介します。